自転車のブレーキの仕組み
コダスポを改造する時にVブレーキの扱いが良く分からず改造の為に色々調べました。
ついでにブレーキについて整理してみました。
カンチブレーキ
カンチブレーキって使った事が無くって、サイクリングロードで見た事があるだけなので自転車探検の図をまじまじと眺めました。テコを二つ使ってリムを挟もうって考えた場合に一番自然に思いつく構造をしていますね。
一本のワイヤーが二本に枝分かれして、それぞれがテコにつながっています。両方で引く力が均等になるように両側に同じテコを用意してワイヤーの形が対称になればOK。
分かりやすいけれどワイヤーの所を対称にするのは大変そうです。
Vブレーキとシングルピボットキャリパーブレーキ
Vブレーキとシングルピボットのキャリパーブレーキは見た目は全然違います。Vブレーキは棒が二本。シングルピボットキャリパーは丸っこいYアームとCアームになっています。ですけど、インナーワイヤーがアームを引く力とアウターワイヤーやガイドパイプがもう一方のブレーキのアームを押す力でリムを挟んでいるって事では同じですね。
カンチブレーキからここに来るのは結構大きなギャップがあると思います。
インナーとアウターを組み合わせて使うっていう考えは凄いですね。アウターワイヤーの中に金属を仕込んで棒の様にモノを押すだけの強度を持たせながら曲線を作り出す柔軟性を持たせて、かつ内部には摺動抵抗を低減する層を挿入しているというのも手がこんでいると思います。
シングルピボットキャリパーブレーキ
シングルピボットブレーキで左右で動作が揃いにくい場合は、真っ直ぐについているか確認したり、両アームの締め付けの強さを変えたり、やじろベエみたいな形のバネの位置をずらしたりして調整するようです。やった事がないのでピンと来ません。
Vブレーキ
Vブレーキの場合、左右で動作が揃いにくい点はバネの強さを変える事で調整するようになっています。バネはVブレーキを開かせる方向に働くのでバネを強めるとシューとリムの間が開き、弱めると狭くなります。バネの強さを独立して変える事でアンバランスを調整します。やじろベエをずらすよりは独立したバネを操作する方が楽そうです。台座に固定するためのピンとネジはいずれも同じ金具に連結しており、いずれもバネの強さを変化させるようになっています。
デュアルピボットキャリパーブレーキ
デュアルピボットになるとアウターケーブルでYアームを押すというより、Cアームで直接Yアームを押すようになっています。
BR-5600などの場合
Cアームに段差が作りこんであり、これによってYアームとの間に接点が出来ます。インナーケーブルが引かれ右側の軸を支点としてCアームが回るときに接点は右斜め上に移動し、Yアームを直接押します。Cアームに下から押されたYアームは真ん中の軸を支点として回ります。金属材料が直接接触して力を加えるから接点で掛かる力は同じになるし遅延もない所が優れているという事なのだと思います。
BR-6800などの場合
YアームとCアームをテコとして見比べると対称性が低くテコ比が大分違うのが分かります。また段差を作って両アームを接触させてゴリゴリやるのは抵抗が高そうです。これらの点を改良したのがBR-6800などのタイプという事になろうかと思います。まずYアームの支点をCアームの支点と同じ様な場所に増設しテコ比のアンバランスを解消します。つづいてCアームがYアームを押す接点の部分にはローラーを導入し滑らかな動作を実現しました。
だいたいこんな所なんじゃないでしょうか?実際BR-6800はBR-5600やテクトロのデュアルピボットとは使い心地が全然違います。下りでブレーキの効き具合だけを変えながら下っていく場合の速度のコントロールがとても楽でストレスを感じません。ボクはシクロクロスもやらないし懐古趣味でもないのでブレーキはこの形だけで良いです。スキルの無い人こそ6800をと言いたくなる位に使いやすいです。
最近はディスクブレーキが増えてきているみたいですが、とびしまマラソンの時に伴走してくれた方の自転車がディスクで、ずーっとキーキー鳴いていたのでディスクはノーサンキューです。
愚痴など
恥ずかしながらブレーキってどう動いているのか気にした事がありませんでした。種々のブレーキの絵や写真を並べてみて、バネとかテコとか小学校のテストの時点で間違えてばかりのボクには高尚なシステムだって事がよくわかりました。ついでに言うと大学院の時に場の量子論をゼミでやった所でようやく小学校からずーっとバネが付きまとってくる理由が分かった気がしました。最初に教えて欲しかったです、お前らの周りは無限個のバネで満たされている、だからやるんだって。まあ、バネまでで解放されただけでも幸せだったかもしれませんけど。